10月22日~24日、2010年全日本選手権シリーズの最後を飾るエンジンオフロードカー全日本選手権が千葉県フタバ バギートラクトで開催された。 O.S. SPEED 21XZ-Bエンジンにとっては発売後初のビッグレース、そして11月に行われる同カテゴリー世界選手権の前哨戦ともなった。21XZ-Bエンジンは現役世界チャンピオンのTeam HB 原 篤志やTeam Kyosho 河本 篤志らを筆頭に数多くの選手が使用。新型21J2キャブレターは調整がし易く、様々な状況下でエンジンパワーを最大限に発揮、新型アウターヘッドは軽量、低重心による運動性能の大幅な向上を実現した。
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20日(水)の午後から降り始めた雨により以降の公式練習は中止となり、各選手不安を抱きながらの選手権開幕となる。 大会初日となる22日(金)の空模様は曇り。未明まで降り続いた雨により路面は水分を多く含み、各選手はスリックタイヤを装着しての予選アタックとなった。予選1ラウンドは大接戦の末、原が総合2位を獲得した。予選2ラウンドは各選手ラップタイムも上がり上位陣は38秒台に突入するハイグリップ路面。そんな中、圧巻の走りを見せた原は、1ラウンド目のお返しと言わんばかりにスーパーラップを連発し8周5:08.955という驚異的なタイムで総合1位となった。
大会2日目は晴天に恵まれ10月末とは思えない気温のなか予選ラウンドがスタート。大きな波乱もないまま各ヒートがこなされ、原、河本(篤志)は最終5ラウンド目を迎える。複数の選手にTQ獲得のチャンスがありミスは許されない展開のなか、TQにはこだわらずグランドファイナルシードをめざす原。2位以上でゴールすればシードを獲得することをわかっている原は無理に攻め込まず淡々と周回を重ねる。このままゴールかと思われた瞬間トップを走る選手が転倒し、難なくトップに躍り出た原はトップゴールを決めTQを獲得。
曇り空のなか行われた大会3日目は1/32ファイナルから順調にスケジュールが消化されるが、シニアクラススタート前には空から雨粒が落ちる。完全なウェット路面となったグランドファイナルスタートは各マシンともにウェット路面に対応したタイヤ、マシンセッティングを行い、TQの原はエンジンヘッド上部にアルミテープで蓋をすることでエンジンのオーバークール対策を施すという万全の状態で60分間のレースに挑む。
グランドファイナルスタート直後は原、河本(篤志)らがトップ集団となりピットインのタイミングで順位が入れ替わる接戦状態となる。レース中盤には雨も止み、路面は回復方向にむかう。各選手ドライ路面に苦しみながらも淡々と周回を重ね、時間は折り返しの30分を経過。スタートから35分を経過した時点で原は2位の選手と1秒差ながらもトップを死守する。そんな中、37分過ぎにピット作業を終わらせコース復帰した原に悪夢が襲う。ピットアウト直後の3コーナーでストップし再度動き出したが1stヘアピンで再びマシンを止め緊急ピットインを余儀なくされる。まさかの展開に会場がどよめく中、落ち着いたレース展開で上位を狙っていた河本(篤志)が2位に浮上。レースも終盤に差し掛かった頃、緊急ピットインと同時にタイヤ交換を行った原が他の選手を5秒以上も上回る驚異的なラップタイムをたたき出し上位選手を猛追。上位選手はタイヤ交換してラップタイムを上げるか、ピットのタイムロスを避けて我慢の走りをするかの選択を迫られるが、レースも残り僅か、原は4番手まで順位を上げ前を行く選手を追い上げようとするがここで無念のタイムアップ。タイヤ交換を行わず我慢の走りをした河本(篤志)が2位に、猛追を見せた原は4位でチェッカーを受けた。
惜しくも優勝は逃したが、TQ、2位、グランドファイナル最多使用、大会トップシェアという大きな成果を見せた21XZ-Bエンジンは、エキスパートから一般ユーザーまで、幅広いユーザー層から支持を得られることに成功。ただし、今大会はOSエンジン世界選手権3連覇へ向けて21XZ-Bエンジンの挑戦の始まりにすぎない・・・・・
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